業績をチェック

まず四季報で見るべきは業績欄ですね。営業利益、経常利益、純利益と3種類の利益を順にチェックしてきましょう。 基本的に営業利益の段階で赤字な会社は、会社経営が非常に困難な状況に陥っています。 なぜなら、それは本業の不振を示しているからです。次の経常利益の段階で赤字になっている会社は、 会社の財務体質に問題がありそうです。純利益の段階で赤字になっている会社は法人性負担が多いのかもしれません。 下でもう少し詳しく説明をします。

営業利益の段階で既に赤字
営業利益は、会社の財務体質を考慮しない純粋な会社の本業の収益力を示しています。 営業利益の段階で赤字というのは相当に深刻な状況で、本業に欠陥があるということを示しています。 会社の利益体質を改善するためには、本業そのものを改革しなければなりません。本業の改革とは、簡単にいってしまえば売り上げを増大するか、 経費を削減するかの二択ですが、どちらも改善するには相当な経営努力が必要でしょう。

経常利益の段階で赤字に転落
経常利益とは、本業プラス会社の財務も含めて利益を計算する指標です。営業利益は黒字でも経常利益で赤字に転落するのは、 本業は何とか黒字を保っているが(それでも経常利益で赤字になるくらいですから、低収益企業なのは間違いありません)、 会社の借金が大きすぎるために、会社の利益が借金の利息で全て吹き飛んだためマイナスに転落していることになります。 この場合も問題が多く、とにかく会社は借金返済など財務体質を根本から改善していく必要があります。 財務体質改善で即効性があるのは、会社の保有する土地などの資産売却などでしょうか。

純利益の段階で赤字に転落
純利益とは、経常利益から特別損益を引いた後、法人税を引いた後に残った最終利益です。 この段階で赤字に転落してしまった原因は、主に特別損失や少数株主損益の影響が考えられます。この二つは複雑なので簡単に説明しましょう。 その程度の理解で十分です。前者は、例えばその会社の持っている資産の価値が下がった時に発生します。 例えば不況による土地の値段の下落、保有している株の価格下落が挙げられます。後者は、その会社の子会社が不振で、子会社の損失を被る場合です。 この段階での赤字はレアなケースであるために、もしこのケースがあった場合、四季報のコメント欄に何らかの関係する記述が書いてある場合が多いです。

つまりここで何が言いたかったのかというと、倒産する企業は経営状態が悪く赤字がちなことが多いということです。 従って直近5年分くらいの業績を四季報で調べ、経常利益の段階で赤字の年が多い会社は基本的に投資対象から除外すべきです。

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