財務欄とは


財務欄は特に危ない会社を見分ける際に重要ですので、ぜひ読み方をマスターしていただきたいと思います。 仮に不況で会社が赤字に陥っても、財務がしっかりしている会社は早々には倒産しません。 倒産リスクは限りなくゼロに近いほうがいいですよね! それでは財務欄の解説にいってみましょう!

総資産

総資産は会社の全ての資産を合算したものを指します。工場設備、現金、銀行預金、机や椅子などを全部合わせた金額といえばピンと来るでしょうか。

ここで注意なのですが、借金などをして得た資産も総資産に入ります。つまり、借金をして買った営業用の車、パソコン、借りた金額のうち残った分を銀行の口座に預けたお金も 総資産としてカウントされる点に注意です。総資産は、会社の大きさを表す一般的な指標として、財務諸表をチェックする際の一つの重要な項目です。

資本金

簡単にいいますと、会社が事業をするに当たって必要な資金を株主から出資金という名目で集めた合計金額です。

例えば1株500円で株を1千万株発行し、株主に売却すれば5千万円の資金が調達できます。 会社はその資金を元に事業を行い、利益を出し、その利益の一部を株主に配当という形で還元しているのです。

借金との違いは、会社はその集めた資本金に対して返済義務を負わないということです。 つまり、会社の事業が傾き倒産しても、最初に株主が払い込んだお金に関しては、会社は返済義務を負わないのです! ! これが借金の場合だと、会社が潰れても法的な手続きをしない限り、借金取りに追い回されるハメになるのです。

利益剰余金

企業活動で得た利益のうち、株主に分配せずに社内に留保している余剰金のことです。

毎期、企業は純利益の内から株主に配当を支払い、その残ったお金を貯蓄します。 それは将来の投資に使ってもいいでしょうし、借金返済に当てても、また将来の不況期をにらんで単純に銀行口座に資金を貯めておいてもいいでしょう。

つまり利益剰余金は、これまで会社が企業活動で得た利益がどれだけあるかを表した指標と言えます。 会社が倒産しないかを見極める際の大事な指標の一つです。

株主持分

これは総資産の中で株主に帰属する財産です。 厳密にいうと少し違うのですが、資本金(株主が払い込んだお金) + 利益剰余金(会社が稼いだお金) と思っていただいて結構です。

有利子負債

有利子負債とは、一言で片付けると利子を付けて返済しなければならない企業の借金です。 まれなケースに利子がつかない借金も存在しているようですが、それは同じ借金でも利子がつかないので有利子負債には入りません!

会社四季報を見る上でとても重要な項目で、管理人もこの数字は重要視しています。会社四季報に載っている上場企業を見てみると、 ほぼすべての会社が借金をしています。借金は企業活動をしていく上で、資金調達の手段としてなくてはならないものです。

有利子負債の大小は業種によって様々ですので、同業他社で有利子負債の大小(比率を比較)を比較しましょう。 一般に、鉄道会社や電力会社は設備投資等に多額の資金が必要なため、有利子負債は多い傾向にあります。 できるだけ有利子負債は少ないほうが良いのですが、必ずしも0である必要はありません(というより、0になる企業のほうがごく稀です)。

株主持分比率

上で説明した1株益を除く三つの利益の大まかな関係をここで説明します。利益の相互関係は会社の業績内容や財務状況により様々ですが、 一般には以下のようになっています。

株主持分比率 = 株主持分÷総資本×100

で表すことができます。株主持分比率が高ければ、多くは株主資本で企業運営を行っているということであり、 有利子負債(借金)が少なく、会社経営が安定しているといえるでしょう。つまり、株主持分比率が高い程、倒産リスクは小さいといえます。

ただこの値も業種によって適正水準が違いますので、同業他社どうしで比較してみましょう 。

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